私たちは、自分がなぜそうしたのかを、あとから言葉で説明できます。 しかし、その説明が行動を生み出した「最初の原因」とは限りません。
人は、意識して考える前から、見たもの、聞いた声、過去の記憶、 身体の反応などを高速で処理しています。 その結果が先に行動や感情へ表れ、意識はあとから「なぜそうしたのか」を説明することがあります。
まずは「無意識の内部劇場」
次の動画は、恋愛を例にして、意識より先に脳内でさまざまな処理が進む様子を キャラクターで表現した短いイメージ動画です。 実際の脳がこのような会議をしているわけではありませんが、 「本人が気づく前から処理が始まっている」という考え方を見るための比喩です。
無意識の世界 ― 内部劇場
では、日常ではどうなのか
下の場面を選んでください。 「本人が説明する理由」と、その背後で働いていたかもしれない心理過程を並べてみます。
本人が説明する理由
考えられる心理過程
意識は「あとから説明する」こともある
先に反応する
視覚、声、表情、身体感覚などへの反応が、本人の自覚より先に始まることがあります。
過去が混ざる
似た人物や場所、成功・失敗の記憶が、現在の感じ方に影響することがあります。
あとから意味づけする
意識は、その結果を受け取って「自分はこう考えたからだ」と物語を作ることがあります。
だからといって、私たちに自由な判断がないという意味ではありません。 無意識に生じた反応に気づき、考え直し、行動を変えることもできます。
「自分の理由」を少し疑ってみる
人間は、自分の心をすべて見通しているわけではありません。 「なぜそう思ったのか」「なぜそうしたのか」を考える時、 意識にのぼっていない過程があった可能性もあります。
無意識を知るということは、
自分では見えていなかった「心の前段階」に気づくことです。