PSYCHOLOGY & BRAIN SCIENCE 10

それでも望みはある!

社会を変える可能性と、改革へ向かう力を考えます。

 この国が抱える衰退・劣化の課題は、その大半に集団農耕型の人々の気質や性格が影響していることを見てきました。そして、本来指導層とりわけ政治家が、その方向性を正して社会や国のことを考えなくてはならないにもかかわらず、全く逆の利己主義に走っている事も見てきました。それらの悪化には、脳の変化が関係していることも。それではもはや、日本という子には、日本人はこのまま座して滅びるしかないのでしょうか?
 いいえ、そんな事は決してありません。そして、その流れはすでに動き始めているのです。

 海外からの移民流入により、あまり好ましくない集団農耕型気質・性格が、日本人の大半を占めるようになりました。それにもかかわらず、本来の核である孤高武士型気質は決して日本人から失われませんでした。なぜでしょうか?気質が変わるには時間がかかると言うことはありますが、それだけではないのです。

 日本は言うまでも無く、自然災害の多い災害列島です。しかし私たちの祖先は、何万年も前にこの列島にたどり着いたときから、ここで暮らすことを決めたのです。大きな災害は起きますが、同時に、自然は豊かで穏やかな姿もまた見せてくれたのです。そうして、自然や神に対する畏敬の念を抱くようになりました。それは、利己主義に走るのではなく、皆で助け合い仲良く暮らす利他主義を育んだのです。それこそが孤高武士型気質なのです。

 阪神淡路大震災に続き、平成23年(2011年)には、未曾有の被害をもたらした東日本大震災が起きました。このとき人々は、恐れおののきながらも、お互いに助け合うことの大切さを再確認していました。傲慢で身勝手な心はどこかに消えて、自らを顧みて平穏な日々への感謝の気持ちを取り戻しました。

 もうおわかりですね。どんなにしても、日本人の精神の核から無くならない孤高武士型気質は、いうなれば、この災害列島によって育まれたものなのです。こうして、日本人が集団農耕の悪しき社会にそまっても、ひとたび大きな災害が起きれば、孤高武士型へと回帰するのです。
 自然災害だけではありません。バブル崩壊、いや異常なバブルという社会現象そのものが、人々の心に影響を与えます。ですから日本人全体の性格が、集団農耕から孤高武士への変化を遂げたのは、今から40年も前に始まっていたのです。それが、今はっきりとした世代の意識の違いとして現れています。40代以下とそれ以上とで明らかに違うのです。集団農耕に溺れたメディアや文化人の多くが、若者の右傾化・保守化などと騒いで、中には戦前回帰とさえ騒ぐ者がでるしまつです。そうではなく、意識(気質・性格)の世代間断絶に過ぎないのです。

 世界中が、保守化右傾化と騒がれていますが、これは行き過ぎたグローバリズムがもたらした様々な問題が、自分たちの生存すら危うくしている。それに対抗して自らの生命を守る、いわば生存のための反応とすらいえるのです。大げさかもしれませんが、気質は性格と違い、生命の生存に関わる脳の領域に関係していることを思い出してください。
 いまや日本人は、いつでも大きな変革、新しい社会を受け入れる心構えはできているのです。後をそれを邪魔している既存の指導者たちの排除と、利他主義を持つ真の指導者の出現だけなのです。それは、あなたかもしれません。皆さんの行動が、この国を滅亡から救う唯一の道なのです。

改革の青写真

 戦国時代、江戸期と多くの名君と呼ばれるような人が出現しました。前に例としてあげた上杉鷹山にかぎらず、武田信玄、小田信長、豊臣秀吉、徳川家康などそうそうたる武将たちには共通の行動があります。単に武力にすぐれていたというのではなく、その大元になる国を富ませる経済政策を実行していたと言うことです。改革をおこなうにも資金はいりますから、理念や理想だけを掲げているだけでは、何も変わりません。
 右傾化と呼ばれる各国の自国第一主義も、結局は経済政策の一つなのです。政治家に立候補して国を改革したいけど、具体的な経済政策がわからないという皆さん、安心してください。

 これまで30年以上も続けてきたグローバリズム一辺倒の政策をやめるだけでも十分効果がありますが、同時に内需振興策を行ってください。10年以上も前から、その具体的な案を著作やホームページで書いてきましたので、良ければ参考にしてください。わかりやすいのが、一国二経済制度と呼んだA2政策です。くわしくは立ち入りませんが、少子高齢化、人口減少の日本で内需振興などできない、という既得権者にだまされないでください。経済の市場拡大とは、単に人口増による消費拡大だけだとの誤った考え方を忘れてください。
 経済成長は、お金を回すことによっても実現できるのです。日本が完全に立ち後れてしまった、金融市場などはまさにその典型なのです。金融市場は、何か物が作られるわけではなく、お金だけが循環して市場拡大をしているのです。集団農耕型の人は、このような考え方をするのが苦手なのです。だから、日本は常に海外から食い物にされているのです。



 経済成長を含む社会改革には、強いリーダーシップが必要でしょう。でもそれを実行に移すのは多くの国民の皆さんの努力なのです。おなじ苦労をするのなら、貧困にあえぎながら今日を生きるよりも、明るい未来を信じて、改革の道を進みましょう。破壊をおそれていては、何も新しいことは生まれません。