PSYCHOLOGY & BRAIN SCIENCE 08

傲慢さと政治家

傲慢さ、権力、政治家の心理と脳の変化を考えます。

 男子3日会わざれば刮目して見よということわざがあります。これはすでにお話してきたように、人間というのは案外変わりやすいものだということを示してもいます。この諺はよりよく変わる方向ですから良いのですが、えてして変わったと言われるような場合は、悪い方向に変わってしまったということが多いようです。特にそれが政治家に対して投げかけられる言葉として、多いように思います。

 なぜ地方であれ国会議員であれ、議員にあるいは知事などの組長になると、みんな偉そうにふんぞり返るのでしょうか?一言で言えば傲慢になるわけですね。

 この傲慢さと政治家という話は、実は非常に深刻な話なのですが、これまで正面切って取り上げられることはあまりなかったのではないでしょうか?そもそも気質や性格さらには脳科学の知見まで動員して、傲慢な政治家を取り上げたものはなかったでしょう。
 私自身もこれまでさまざまに政治家を批判的に取り上げてきましたが、このように総合的に傲慢さと政治家という視点で取り上げたことはほとんどありませんでした。今回はAIの助けも借りて、少し深刻な、そして全ての日本人が今考えなくてはならないこととして取り上げてみました。

 

 なぜ政治家になるとみんな傲慢になるのでしょうか。一つには権力を握ったものが陥る罠ということで、よく話されていると思います。これはすでに述べていますが、それだけで済むような話ではないようです。

 権力同様に、恐ろしいことに傲慢さが脳を変化させます。そして見事に傲慢な政治家が出来上がるわけです。脳の三つの領域が変化するのです。順に見ていきましょう。
☆前頭前皮質(理性の司令塔)
  ここはまさに人間が人間らしくあるための重要な「理性」を司る領域です。その活動がなんと低下するのです。つまり人間らしさを失うのです。
  悪い事をして追求されても、全く悪びれもせず平気で否定します。それを見て普通の人は、これだけ言っているのだから本当なのか、とつい信じてしまいます。とんでもないことです。理性を持たない人間に恥の感覚などありません。平気で嘘をつくし、逆に攻撃してくるのです。理性を失えば、道徳心や倫理観も失われていきます。
☆ミラーニューロン系(共感の回路)
  私たちは、他者の感情に共感できますが、それは、ミラーニューロンが他者の感情を自分の事として同じように再現しているからなのです。この機能も低下します。つまり、相手の感情などを正しく理解できなくなるのです。被災者などにいかにも同情したような事を政治家は言いますし、時に現場に視察に行きます。そのほとんどがパフォーマンスですね。共感も共鳴もできていないのです。まともに共感できていれば、わざわざ視察などにいく必要も無いわけです。
☆ドーパミン報酬系(欲望のエンジン)
  側坐核、VTA、線条体、これらドーパミン報酬を出す領域の活動は、前二つとは逆に活発になります。達成の喜び、権力への渇望は脳の深部、報酬系が動き出した合図でもあり、欲望はますます肥大化していくわけです。 欲望は達成されると脳から「喜び」などのご褒美がでるわけです。それがほしくて、ますます欲望を大きく達成しようとするわけです。

 これでもあなたは、集団農耕型の政治家を簡単に信じますか?それは、自分で自分の首をしめているのと同じかもしれませんよ。

傲慢だから政治家になるのか、政治家が傲慢になるのか

 実はこれもかなり難しい問題なのです。傲慢な人ほど政治家を目指す理由には、次のような事があげられます。
●自己肯定感と野心が強い:自分の考えに絶対の自信を持ち、それを社会に押し広めたいという意志が強い人は、政治という舞台に惹かれがちです。
●支配欲や注目欲:他者より優位に立ちたい欲求が、政治家としての地位と影響力に向かわせることがあります。
●自己正当化の力:自らを「世の中を良くする人間」だと信じることで、傲慢さが使命感にすり替わることもあります。
 逆に、政治家になると傲慢になる理由もみてみましょう。
●権力の構造:地位や影響力が増すと、周囲がイエスマンになり、自己の判断が絶対視されがちです。
●責任とプレッシャー:大きな決断を下す立場にあるため、自信過剰にならないと精神的に持たないケースもあるのかもしれません。
●透明性の欠如:不透明な権力闘争や支持基盤との関係で、謙虚さを維持するのが難しくなる環境もあります。

 これらからみて、結論としては、「傲慢な人ほど政治家を目指す傾向がある」ことは確かですが、それ以上に政治という環境が人を傲慢に変えてしまう力の方が根深く、持続的であるかもしれません。いずれにせよ、ろくな人種ではないと言うことになりますかね。

政治家が目指すのは、最後は独裁者



 おまけの話になりますが、こうして傲慢になり独りよがりな政治家たちが権力をにぎると、大抵は独裁者になりたがります。実際、今の国際社会にも多くの独裁者波の政治家が多数存在して、世界を混乱させています。
 傲慢の極みになり、周囲からの批判をすべて拒絶し、極端な自己愛と英雄幻想(自分が英雄になったつもり)に溺れた指導者は、世界を狂わせます。日本でも似たような政治家ばかりですね。こうならないためには、孤高武士型の自分をコントロールする自律心が、絶対必要になります。そして、その裏付けこそが、超越的思想、「お天道様が見ている」との考え方なのです。